広報担当者が携わる24の業務
漠然と広報という仕事または部署の存在を知っていても、実際に広報を担当している人の詳しい仕事内容を把握している方は少ないのではないでしょうか?
ここでは企業の広報担当者が任される可能性のある仕事について、詳しく考えてみることにしましょう。
企業の広報担当者の業務は、クリッピングや広報誌の制作など社内に影響を及ぼすものから社外との関わりをもつメディアへの対応・イベント企画・見学会やPR活動など様々なものに携わる可能性を秘めています。
場合によっては、経営や宣伝効果に対してのリスク管理も行わなくてはなりません。
1-1. メディアからの取材・アンケート対応
広報の仕事を簡単に言うと、会社の存在を世間に広くPRすることです。
大企業の広報担当者になってくるとテレビ・新聞・雑誌など様々なメディアからの取材またはアンケートに応じる機会にも恵まれてきます。
個人ではなく会社の代表として会話や質問に応じることになります。
うかつな発言ができないのは勿論ですが、この機会に自社の評判をプラスにすることが広報担当者の業務になります。
1-2. 問い合わせ対応
企業の広報担当が社外のお問い合わせに対応する際に、通常の電話やメールでの対応以上のコミュニケーション能力やスキルが求められる場面もありえます。
例えば、数年後の東京オリンピックを理由に海外からの日本ビジネスへの注目度が高まっています。海外メディアから自社へのコンタクトの機会も増えてくるかもしれません。
海外メディアからの取材や問い合わせへの対応は、ほとんどの場合は英語での対応になります。
広報担当者は、英語でのコミュニケーションの中で自社の存在やサービスを世間の皆様に良い方向に知って頂く必要があります。
その為の対応力や現場での臨機応変さが求められるのです。
1-3. 記者会見
一般的に記者会見と聞くと、謝罪会見のようなイメージが定着しているかもしれません。
広報業務の中では、記者会見は悪いことばかりではありません。
例えば、ファッションやアパレル業界の場合新作のデザインや季節ごとの商品モデルの情報は、企業にとって経済効果が最も高まるギリギリまで世間に知られたくない資産になります。
そこで、記者会見という公式の情報発信の場を設けることで最も信頼性のある企業情報を複数のメディアへ同時に配信することが可能になります。
このように、記者会見を行なうことによる自社へのメリット・デメリットを把握して、実際に記者会見を行うまでのセッティングと理想へのアプローチが広報担当者の業務になります。
1-4. プレスリリースの作成・配信
プレスリリースとは、企業広報が世の中のメディアを通して配信する自社の正式な文書になります。
具体的には、企業が近々に開催するイベントの情報。
最もプッシュしている新サービスの情報を配信したりします。
まるで、新聞部が学級新聞を作るかのように、企業の広報担当者がプレスリリースという形で作成・配信を行います。
作成のテーマは「世間に今一番知ってもらいたい会社の情報」であり、ビジネスとしてやっている点が学級新聞との大きな違いです。
海外向けに配信されるプレスリリースを手がけることもあります。
1-5. イベント企画・運営
企業が主催するイベントのほとんどが、ビジネスとして直接の売上に繋がることは少ないかもしれません。
広報担当の大まかな業務が「社内外を通しての会社PR」なので、イベントを通して参加して頂いた多くの方々に会社の名前と取り扱っている商品・サービスの存在を広く知って頂くことが一番の目的になる場合もあります。
例えば、大会やコンクールのスポンサーになることで参加者や観客の皆様に会社名を知って頂く機会に繋がります。
他社イベントとのコラボ企画というケースもありえます。
これらイベント開催に必要な準備・人脈作り・当日の運営に至るまで、広報担当の業務になります。
1-6. 社内報作成
広報担当者の業務の一つとして社内報の作成がピックアップされます。社内報とは、自分が働いている会社のことを詳しく知ってもらうことで社員の普段の業務のモチベーションに繋げたり、社員同士での会話や(極端に言えば)愛社精神を促進させることを目的とした社内誌のことです。
社内報の媒体としては、紙面だけでなくWebや動画など様々なものが存在します。
1-7. クリッピング
広報の基本的な業務の一つにクリッピングと呼ばれる作業があります。皆さんも一度はやったことがあると思いますが、新聞、雑誌等から自分が気になる記事や写真だけを切り抜き、一つのページにまとめたり保存する作業のことです。
広報担当者によってクリッピングされた記事は営業のツールとして二次利用されることもあります。
1-8. (活動の)効果測定
広報担当者の業務は、メディアや世間に向けた宣伝・PR活動だけではありません。
広報活動の一環として利用した媒体、ツール、サービス等が実際にどれほどの効果を及ぼしたのかを測定する業務になります。
簡単なことのようで、かなり難しい業務になります。
企業の広報活動には、IT広告やソーシャルメディアだけでなく社外のマスコミや社内コミュニケーション等も含まれてくるため全てを数値化または可視化することは困難になるからです。
1-9. ウェブサイト運営
今の時代、企業のウェブサイトは世間に情報配信するだけのツールではありません。
ウェブサイトを閲覧しているお客様に、ウェブコンテンツを通して営業を行ったり商品を販売することも可能なツールに発展しています。
企業のウェブサイト運営は、WEBマーケティングの担当者に任命したり、外部のWEBコンサルティングに委託するケースも存在しますが、広報担当者が、携わっているケースも存在します。
1-10. メルマガ配信
かつてのメルマガ全盛期と比べると、企業が広報活動の一環としてメルマガを配信しているケースは少なくなったようにも見受けられます。
勿論、会社によっては今でもメルマガ配信を広報の主軸にしているので、広報担当者としては意識するべき業務の1つです。
定期的に配信する内容も大事ですが、導入するメルマガサービスやシステムにも
広報担当者は気を配らなくてはなりません。
1-11. 会社案内作成
広報担当者が、パンフレットなどに紹介された会社案内を作成する場合に次のようなことに気を配らなくてはなりません。
文字ベースでの内容、デザイン、レイアウト…etc例えば、同じ会社案内のデザインであっても、就職活動中の学生に向けての企業案内のパンフレットなのか?
営業用の資料として利用されるカタログなのか?によって構成や見せ方が全く変わってくるのです。
1-12. 製品・サービスPR
くどいようですが、広報の大まかな業務は会社の存在と事業内容を広く世間の皆様に認知して頂くことです。
広報担当者が自社の製品カタログやパンフレットのサービスをPRすることで、お客様に興味を持って頂き、そこから売上げに繋がれば、企業にとって最も喜ばしい出来事になります。
1-13. リスク管理
広報担当者がリスク管理を行う場合に、あらゆる場面を想定して考えなければなりません。
具体的には、地震や津波・災害などによる経営のリスク。
強盗や事故などによる人的被害のリスク。
その他にも、ネットへの書き込み・風評被害によるイメージダウンへのリスク管理など。
ビジネスの機会損失から危機管理に至るまで様々なものがあります。
1-14. ソーシャルメディア運営
TwitterやFacebookに代表されるソーシャルメディアですが、広報担当者がビジネスツールとして運営する場合は次のようなこと意識しなくてはなりません。
お客様と繋がりを持てる情報配信ツールであると同時に、炎上や風評被害のリスクと隣り合わせである点です。
1-15. 広報誌制作
広報誌制作の業務は、地域の住民の方々とのつながりを深めたり社内で従業員同士のコミュニケーションの役割を担います。
広報紙とは、不特定多数の人に会社の存在や具体的に何をやっている団体なのかを簡単に分かりやすく紙面にしたものです。
宣伝用のチラシとして配られることもあります。
1-16. 動画制作
広報活動の一環として決められた予算で動画を制作することもあります。
会社のウェブサイトに掲載するような動画であったり、営業や説明会のプロモーションに使われる動画であったりと用途は様々です。
大規模になってくるとテレビのCMに使う動画を撮影する機会もあるかもしれません。
1-17. 見学会企画・運営
一般的に企業の見学会といえば、小・中学生が参加する社会科見学や新卒の学生を雇用する一環で企画されるイメージがあるかもしれません。
見学会の企画・運営・管理も広報の業務になってきます。
一般の団体様を対象とした見学会の企画もあれば、地元の新聞記者を対称にした現場の見学会や撮影会の企画もありえます。
1-18. ツール制作
広報担当者が業務で扱うツールは多種多様です。
誰に・何を・どのように、伝えたいか?が、はっきりしてくると制作するツールと企画から納品までのプロセスも明確になってきたりします。
ホームページを使うのか?印刷物を使うのか?イベントを企画するのか?その媒体を通して、誰に・何を伝えたいのか?といった具合です。
1-19. ノベルティ制作
ノベルティの本来の意味は「もの珍しい」や「変わったもの」になります。
広報の業務におけるノベルティとは、世間の皆様が興味・関心を抱くようなグッズ・(イメージ)キャラクター・おまけの小物等を生み出すことで、ノベルティの景品をきっかけに会社名を覚えて頂こうという試みです。
1-20. モニタリング
一般的なモニタリングとは、気になる事柄と同じような状況から最終的な結果が出るまで計測・監視をしてデータを取ることを意味します。
広報担当者は、ビジネスにおけるリスクの予測の回避の為にモニタリング業務に携わることもありえます。
マーケティング広報を予測する為のモニタリング調査から、ネット上の被害を回避する為のモニタリング・サービスの導入など様々な業務が存在します。
1-21. イントラネット運営
広報におけるイントラネット運営とは、(簡単に言うと)電子メールやデータベース等の社内ネットワークを利用することで広報活動の効率化を図ったり、社員間のコミュニケーションをスムーズにする役割があります。
特に、リアルタイムで把握したい社員同士のスケジュールの確認から(業務命令などの)意思の伝達に速効性を持たせる、
文章・画像・動画等データの共有に至るまで十分な効果が期待できます。
1-22. アニュアルレポート作成
アニュアルレポートとは、企業における年次報告書のことです。
自社の経営状況などを分かりやすくまとめたレポートのことで、広報担当者がアニュアルレポートを作成することもあります。
企業の株を購入している株主、国内または海外の取引先、事業・企画を支援してくれているスポンサー…etcへの報告を目的として作成されることが多いです。
1-23. 投資家向け説明会
広報の業務における説明会(特に、投資家向け)として、IR活動というものがあります。
IRとは、インベスター・リレーションズのことで企業が株主など(個人)投資家に向けて経営から財務に至るまで、あらゆる情報を提供するための広報活動になります。
先ほどの、アニュアルレポート作成もIR活動の一環になります。
1-24. CSR活動
企業が経営を回していく上で、利益や粗利を追求することは当然のことです。
その一方で、CSR活動というものも存在します。
CSRとは、企業という組織が社会または地域に与える影響を考えて役割を果たす社会的責任のことです。
広報という部署が、CSRを担当することもありえます。
以上のように、広報担当者が行う業務によっては世論のイメージに多大な影響を与えるものも少なくありません。
社外の関係者と直接コンタクトをとる機会も多いので、会社の顔(代表)として株主・取引先との関係性、付き合い方に影響を及ぼすことも少なくないかもしれません。
言い方を変えると、会社にとってそれほど重要な部署とも言えます。
【参考URL】
・取材の申し込みがあったとき守らなければならないこと
http://www.innovations-i.com/column/demi-pr/6.html
・社外広報の仕事
http://www.tobu-dept.co.jp/jinzai/sub_no08.html
・広報は「窓口」にあらず
https://www.kkc.or.jp/plaza/magazine/201310_26.html?cid=2
・英語でお仕事シリーズ~広報担当者が英語で取材応対したら~
http://www.berlitz-blog.com/public-relations
・広報強化のガイドブログ「経済記者OBの目」
http://blog.livedoor.jp/corporate_pr/archives/43569694.html
・中小企業ならではの記者発表会がおすすめ!
http://www.innovations-i.com/column/demi-pr/3.html
・謝罪会見は記者クラブ? 会社内?
http://www.kkc.or.jp/plaza/magazine/201010_26.html?cid=8
・企業広報の基本
https://www.kkc.or.jp/plaza/basic/news.html
・プレスリリースとは?
http://prmag.dreamnews.jp/about_pressrelease
・実録!広報担当者に聞いた広報業務に関するアンケート!!
http://prmag.dreamnews.jp/12446
・広報のチカラ/プレスリリースの作り方
http://partner.jica.go.jp/resource/1381458784000/MZ/interview2/idid2_ao8m4v6.html
・こうすればもっと効果的!プレスリリース作成・配信11のコツ!
http://prw.kyodonews.jp/opn/service/koza/koza3/#press004
・公募イベントで広報する
http://www.innovations-i.com/column/demi-pr/5.html
・【広報担当者必見!】イケてる7つのベンチャー企業に見るPR企画成功事例
http://careersupli.jp/manner/prkikaku/
・広報の仕事についてと中小企業にこそ広報担当が必要な3つの理由
http://liginc.co.jp/life/useful-info/80661
・社内報の活用
http://www.innovations-i.com/column/demi-pr/9.html
・広報担当者の悩みを解決するノウハウやツールを紹介
http://www.advertimes.com/20151118/article209213/
・宣伝会議
http://www.sendenkaigi.com/event/inner-jissen-vol04/
・広報担当者105人に聞いた「クリッピング業務の実態」
http://mag.sendenkaigi.com/kouhou/201512/reportage-and-copyright/006741.php
・広報パーソンのつぶやき
http://yhkhashimoto.hatenablog.com/entry/2015/12/04/070000
・FAQ 16 新聞のクリッピングをスピードアップする方法は?
http://www.cocoknots.co.jp/PRFAQ/?p=17
・企業広報の基本/広報活動の効果測定
https://www.kkc.or.jp/plaza/basic/effect.html
・広報効果測定1日セミナー
http://www.sendenkaigi.com/class/detail/pr_effect_measurement.php
・NTTアド
http://www.ntt-ad.co.jp/publication/column3_04.html
・Web担当者育成
https://ayatori.co.jp/strategy/webmaster/
・No.15 ホームページ担当者の抱える課題
http://www.aao.ne.jp/column/gekkankoho/15.html
・メンバーズ、企業Web担当者向け教育研修サービスを提供開始
http://www.members.co.jp/company/news/2014/0724.html
・導入実績
http://webcas.azia.jp/casestudy/case1.html
・vol.524 広報に使えるメルマガ戦略2~担当者の意識改革
http://www.sc-p.jp/products/mail/2010/000446.html
・会社案内の役割
http://www.print-solution.com/corporate/03.html
・パンフレット+WEB制作
http://www.print-solution.com/point/p01.html
・PR事業/サービスメニュー
http://www.windam.co.jp/pr/service.html
・戦略的PR広報
http://www.tokai-crossmedia.com/pr/
・事業会社の広報担当は、PR会社から卒業しよう!
http://blog.pr-table.com/interview/platinum_kiryu/
・危機管理広報講座
http://www.sendenkaigi.com/class/detail/pr_crisis_management.php
・「広報担当者のためのリスクマネジメント」をテーマに第6回 PRワークショップを開催
http://www.abilitashospitality.com/staffblog/entry00042.html
・PR・広報担当者が知っておきたいリスクマネジメント
http://www.anety.biz/douga-ri.php
・【広報担当者必見】ソーシャルメディアにおける企業のリスクと対策を改めて解説
http://www.tribalmedia.co.jp/blog/?p=7948
・広報担当者は知っておきたい!ソーシャルメディアの傾聴・発信、ブロガーとの関係づくりのポイント
http://mag.sendenkaigi.com/kouhou/201502/digital-pr/004418.php
・ソーシャルメディアの炎上対策・リスクマネジメント対策セミナー
http://www.hammock.jp/event-close/121016.html
・株式会社エスアイ/企業広報担当者
http://www.si-com.co.jp/08okyakusama2/8.html
・広報誌・会報・社内報|株式会社みつわ
http://mitsuwa-printing.jp/magazine
・業務案内・コミュニケーションツール
http://www.hacnet.co.jp/hac-hp/communi-tool.html
・企業の宣伝・広報担当者に受けていただきたい1日講座
http://www.nowdo.com/_nowdo_seminar/how_to_vp.html
・社内調整と著作権・版権がポイント、PR動画制作のノウハウと注意点
http://mag.sendenkaigi.com/kouhou/201411/office-pr/003560.php
・広報担当者向け!プロモーション動画で露出効果を!パラパラ漫画でPR
・広報強化のガイドブログ「経済記者OBの目」
http://blog.livedoor.jp/corporate_pr/archives/46696954.html
http://blog.livedoor.jp/corporate_pr/archives/38978649.html
・アピオあおもり見学会について
http://www.apio.pref.aomori.jp/kashikan/kengakukai.html
・広報ツール制作の流れとチェックポイント
http://www.wakabakoho.com/tool/workflow/
・「伝わる」広報ツール制作の基礎
http://www.a-m-u.jp/report/post-2-2.html/
・共感が広がるコミュニケーションツールを提供する
http://www.prlink.co.jp/service.php?special=03
・ノベルティ・マーケティング ~売れる法則は販売促進グッズで生み出す~
・ノベルティを活用した広報
・ネットモニタリングで守る 企業レピュテーション
http://mag.sendenkaigi.com/kouhou/201504/pickup/004735.php
・広報環境モニタリング調査
http://www.nord-ise.com/research/pr/monitor.html
・「イントラネットは社内広報をどう変えるか」
http://www.spram.co.jp/ji/sippitu9612.html
・社内・グループ広報
https://www.kkc.or.jp/plaza/basic/internal.html
・イントラは8割、社内報は6割が活用。社内広報への期待は増大中
http://mag.sendenkaigi.com/kouhou/201403/2014public-course/001740.php
・広報・PR用語集
http://www.pr-tocs.co.jp/glossary/?Annual_Report
・企業広報
http://www.acquaint.co.jp/pr.html
・企業広報研究
http://www.kkc.or.jp/plaza/magazine/201306_10.html?cid=11
・MBA用語集/IRとは
http://gms.globis.co.jp/dic/00261.php
・Wikipedia/インベスター・リレーションズ
・ IR(投資家向け広報)
http://mh.rgr.jp/memo/bu0009.htm
・CSRと広報
https://www.kkc.or.jp/plaza/basic/responsibility.html
・PR最新事情/CSRと広報
http://www.dentsu-pr.co.jp/pr/trend/20060401.html
・CSRのその先へ
http://andomitsunobu.net/?tag=csr%E5%BA%83%E5%A0%B1